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三平方の定理でわかる特殊相対性理論【光速度不変】

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アインシュタインの特殊相対性理論で、物体が高速で動くと時間が遅れる という現象が起こることは聞いたことがあると思いますが、どういうしくみで 時間が遅れるのだろうかと思いませんか?
そのしくみについて、直角三角形の比とピタゴラスの三平方の定理を使って説明したいと思います。
理解しやすくするため、ここでは加速度や重力の影響は無視するものとします。

目次
1.光速度不変とすると時間は相対的になる理由
2.三平方の定理で時間の縮みの割合を求める
3.光速度不変とすると空間も縮んでいる
4.光速度不変とすると時間の遅れはお互い様
5.光速度不変とすると移動する物体が光速を超えられない理由
6.光速度不変とすると移動する物体が光速を超えたら過去に行けるのか?

1.光速度不変とすると時間は相対的になる理由

地球上から宇宙船の光を見る1

地球にいる人が宇宙船を見ているとします。
宇宙船が止まっている時、つまり地球と同じ慣性系に あるとき、宇宙船から出た光は地球から見ても宇宙船 から見ても1秒間に30万km進み、時間も同じ1秒 経過します。

慣性系
地球は自転しながら太陽を回り、太陽系は銀河系を回り、 銀河系も移動しているので、地球は止まっておらず常に 移動しています。その地球と全く同じように移動している ものは、同じ慣性系にあると言えます。

地球上から宇宙船の光を見る2

宇宙船が光速の6割の18万km/sで進んでいるとき、 宇宙船がAを通過した時を0秒として、1秒後には 宇宙船が18万km進んだ位置Dにいることになります。
このときAで宇宙船から上に出た光は、宇宙船からはDC に見えますが、地球から見るとACのようにに見えます。
地球で1秒たっているのですから、ACは30万kmです。
つまり宇宙船では光がDCの距離を進む分しか時間が 経過していないのです。

宇宙船を18万km/秒としたのは計算がしやすいからです。
三角形ACDは、AD:DC:AC=3:4:5の直角三角形 になっていますので、 光がDCの距離を進むのにかかる時間を求めると、 ACを1秒で進むのだから、

1秒×5分の4は0.8秒

となり、光速度不変とすると地球上で1秒経ったとき宇宙船では0.8秒しか経過していないことになります。

2.三平方の定理で時間の縮みの割合を求める

宇宙船がvkm毎秒で移動いているときの1秒後

このとき、AB=C、AD=V、DB=Xとおくと、三平方の定理より

ここでXのCに対する割合を求めると、

ゆえに

となります。

地球上で1秒経った時の宇宙船の時間と宇宙船で1秒経った時の地球の時間

速度と時間を入れて考える

ここで、もう少し理解を深めるために速度と時間を入れて考えてみます。
光の速度は静止系から見ても運動系から見ても変わらないということから、 DBを進む光は地球から見ても宇宙船から見ても同じですので、光速度をCとし、DBを光が進むのに 必要な時間をtとすると、DBの距離はCtと表せます。 一方、地球から見た宇宙船はAからDにVkm/sで移動していますので、宇宙船がAからDに移動する時間 をt’とすると、ADの距離はVt’と表せます。また、t’と同じ時間でABを光が進んでいますので、 ABの距離はCt’と表せます。

したがって、

となり、移動する宇宙船の時間は

ローレンツ因子

に比例して伸びる、すなわち時間の流れが遅くなるということです。これをローレンツ因子といい、γで表します。

ローレンツ因子=γ

3.光速度不変とすると空間も縮んでいる

目次1の例のとき、地球から見て1秒で18万km進んでいるのに、宇宙船では0.8秒しか経っていないというのは どういうことでしょうか。宇宙船では0.8秒で18万km進んだことになるので、速度が22.5km/秒でないと おかしいはずです。しかし宇宙船の速度は18万km/秒だとすると、空間が80%に縮んだことになります。
つまり時間も空間も同じ割合で縮むことになります。
※時間が縮むというと時間が短くなる印象を与えますが、相対的に見た時間の数字が縮むということは、 時間の経過が伸びて時間が経つのが遅くなるという意味です。

4.光速度不変とすると時間の遅れはお互い様

宇宙船が18万km/秒で左方向に進んでいるとき、宇宙船から地球を見ると地球は18万km/秒で右に進んで いるように見えます。このときは、宇宙船からは地球の時間の方が遅れているように見えます。
また、地球が80%に縮んでいるように見えます。
これはどちらかが間違っているわけではなく、どちらも 正しいのです。光速度以外は時間も空間も相対的なので、 お互いにそう見えてもいいのです。
では、実際のところはどうなのでしょうか。
実際に時間の遅れがどうなっているかを計るためには、同じ慣性系になる必要があります。
ここまでの考察では冒頭にも書いたとおり、加速度や重力は無視して進めてきましたが、このようなことを実現するためには、宇宙船は加速してスピードを上げ、Uターンして地球まで戻り、減速して最終的には地球に止まる必要があります。加速するとき、Uターンするとき、減速するときすべてで加速度がかかります。加速度がかかると物質は動きにくくなります。宇宙船や乗組員を構成する素粒子の動きがスローになり、結果的に時間の流れが遅くなったようにふるまいます。その結果、加速度系にいた方が時間の流れが遅くなったようになります。つまり宇宙船の乗組員は若く、地球にいる人は年をとっていることになります。
GPSなどの人工衛星の時間が進むのは、地球の重力が地上より弱い高い上空にあり、時計を構成する素粒子が動きやすくなり、地上より時間が経つのが早くなったように振舞うためです。

5.光速度不変とすると移動する物体が光速を超えられない理由

それでは宇宙船が光速に近づいたらどうなるのでしょうか。相対性理論では、光速に近づくほどエネルギーが質量に変わって動きにくくなり、光速では質量が無限大になるので物体が光速になることは不可能だということになっています。
ただ、ここではこれまでのピタゴラスの定理の考え方だけでどうなるか考えてみたいと思います。

宇宙船が27万km/秒で移動しているとき、地球で1秒経った時、宇宙船では約0.436秒しか経っていません。また、空間が43.6%に縮んでいます。

宇宙船が30万km/秒で移動していると仮定すると、、地球で1秒経った時、宇宙船では時間が経っていません。
また、空間が0%に縮んでいます。つまり体積が0です。
時間が経たないということは光速で移動中は宇宙船に乗っている人にとっては瞬間移動できるということです。
しかし体積が0なので存在できません。つぶれてしまいます。
光速を超えるには、空間0、すなわち密度(質量)無限大、時間0の壁を越えなければなりません。要するに光速を超えることは不可能なのです。

6.虚数空間があるとすると移動する物体が光速を超えたら過去に行けるのか?

それでは、宇宙船が光速を超える40万km/秒で移動していると仮定するとどうなるでしょうか。

ローレンツ因子

にあてはめて計算すると、地球で1秒経ったとき、宇宙船での時間は

となり、虚数になってしまいます。また、空間も虚数空間になります。

このとき宇宙船が虚空間から実空間にもどることができ、Eの位置で止まるとしたら、Aで1秒前に放たれた光が宇宙船にとどくのは宇宙船が実空間に出現してから0.333秒後なので、宇宙船は0.333秒過去に戻ったことになります。
つまり地球上で1秒後に、1.333秒過去の宇宙船が出現することになります。宇宙船は過去にタイムスリップしても地球は時間が普通に経過しますので、宇宙船は過去の地球に戻っていることにはなりません。
ですがちょっとまってください。時間の遅れはお互い様ですので、宇宙船から見れば宇宙船の時間は普通で、地球が過去になっていると考えられます。とすれば過去の地球に戻ることができそうです。
しかし、このタイムスリップを実現するためには、実空間から空間0、時間0、質量無限大の光速の壁を超えて虚空間に突入し、また虚空間から空間0、時間0、質量無限大の壁を超えて実空間に戻って来る必要があります。そんなことができるのでしょうか。仮に虚空間があったとしても、生きたまま光速の壁を超えることはできないでしょう。また、そもそも地球と同じ慣性系になるとき急激な加速度にさらされて時間の流れが遅くなり、結局未来の地球に到着することになるでしょう。

まとめ
  • 静止系から運動している物体を見ると時間が引き伸ばされて(遅れて)見える
  • 静止系から運動している物体を見ると空間が縮んで見える
  • 逆に、運動している物体から静止系を見るとまったく同じことが言えるが、 相対的にそう見えているだけなので、どちらも正しい
  • 加速度がかかると素粒子が動きにくくなるため時間の流れが遅くなったように振舞う
  • 質量や大きさがある物質は光速を超えるどころか光速になることすら不可能

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